1つ上のレベルに達するためには -最も弱い環の法則-
最も弱い環の法則とは?
最も弱い環の法則と言葉を聞いたことがあるでしょうか。私もクライミングを始めるまでは知りませんでしたが、パフォーマンス・ロッククライミングという書籍を読んでしりました。
一つのチェーンがあるとします。そのチェーンは、複数の環によってできています。
その中の1つの環が、1kgの力で引っ張ると切れてしまう環です。その他の環は、全て、100kgの力で引っ張らないと切れない環です。
でも、そのチェーンは1kgの力で引っ張ると切れてしまいます。一番弱い環の部分が、全体のチェーンの総合的な強さとなってしまうのです。
例えば、あるルートを完登しようとしているとします。あなたは、そのルートは一度も登ったことがなく、どうしてもあと一歩のところで落ちてしまうのです。
そのルートは、アンダーでホールドを持ちながらのムーブA、カチ持ちで保持しながらのムーブB、上腕の力で体を引き付けるムーブCを必要とします。
あなたは、ムーブCの部分ができません。いつもこのムーブで落とされてしまうのです。
では、あなたがこのルートを完登するために必要なトレーニングはなんでしょうか?
答えは簡単ですね。ムーブCができればいいのですから、上腕で引き付ける力を向上させるトレーニングで、懸垂だと考えられます。
懸垂ができるようになれば、あなたはこのルートを完登することができます。上のように、順序立てて考えていけば、完登に何が必要なのかが見えてきます。
これを、先ほどの例に当てはめると、目標のルートに対して、最も弱い環は、上腕の力で体を引き付けるムーブC、つまり、懸垂の能力ですね。
この懸垂の能力が低いために、ルートを完登できないのです。その他の、ムーブに対してトレーニングをしても無駄なのです。
効率よく上達するには
最も弱い環の法則とは、自分の一番弱点としているところを克服すれば、ひとつ総合的なレベルが上がるということです。自分の弱点以外は、レベルが全て高い状態で、その弱点が総合的レベルを下げているということです。
つまり、上達に必要なことは、自分の弱点を知り、そこを重点的にトレーニングしていくことです。
ふつう、自分の苦手な動きやホールド、ムーブに対しては、避けがちです。逆に、得意なものを頻繁にトライして、どんどん得意なものは得意になっていきます。
ですので、弱点を冷静に分析して、それに対して取り組めば、効率的にルートを完登でき、グレードアップにつながるのです。
「上達するためには、自分のもっとも苦手なこと取り組むことである」、ということです。 自分の一番の弱点を直視して、弱点を徹底的にトレーニングしていきましょう。