30代からのロッククライミング

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パキった時の対処方法

finger of fate finger of fate / xcorex

ライミングは指に負担がかかる

登ることに熱中していると、指にかかる負担のことを忘れがちになります。しかし、改めて考えてみると、指の先の方だけで、体の全体重を支えるようなことをしているのです。相当な負担が指にかかっています。

初期症状は無視されがち

パキりには初期症状があります。腱鞘部分を押すときに感じる、痛みです。

私自身は、1~2カ月の間、右手薬指の根元部分を押すと痛いという症状がありました。しかし、これがパキりの初期症状とは知らずにいました。

ホールドのとがった角があたったことにより痛みが出ているだけだと、信じていいました。レストしているときは痛みがありませんし、指で押すとき、または、登っているときだけ痛みが出るので、打ちみみたいなものかなとしか、思っていませんでした。

今考えると、それは初期症状だったのですが、登るのには支障がないので、そのまま登っていました。

このように、些細な初期症状なので、無視されがちということは頷けます。

ケガをするとクライミングできない期間が長い

パキりとは、腱の損傷です。腱の回復には時間がかかります。100日間ほどかかります。

回復期間中は、指に負担がかかることは中止しなければいけません。ですから、もちろんクライミングも中止です。

長い期間の休養を強いられます。

パキる前の予防については パキり予防策

指のしくみ

・指に筋肉はない

指に筋肉はありません。他の部位のように筋肉が付いていません。

例えば、脚を伸ばす場合は、ももの筋肉が使われます。脚を曲げる場合は、ももの裏の筋肉が使われます。

同じ原理であれば、第一関節から先の指を曲げようとする場合は、第1、2関節の間の筋肉が存在し、その筋肉が縮むことにより、指が曲がる、と言いたいところですが、そうではありません。

・指を曲げるのは、前腕の筋肉

ひじから指先まで腱が伸びています。指を曲げる場合、その腱が働きます。つまり、前腕の筋肉が、ひじから指先まで伸びた腱を引っ張り、最終的に指を曲げるのです。

・腱と骨とを結び付けているのが腱鞘である。

また、骨と腱とをつなぎとめているものが、腱鞘と呼ばれるものです。

骨の近くにあり、輪になっていて、輪の中を腱が通るようになっています。指を曲げようとする場合、腱が引っ張られますが、そのとき、腱鞘の輪の中を腱が動きます。

もし、腱鞘がない場合、指を曲げるとき腱が浮かび上がるようになってしまいます。

パキるとはどういうことか

腱鞘の部分的断裂か、完全な破裂が起きるということです。

部分的断裂とは、文字通り腱鞘の全部ではなく、一部分が裂けた状態をいいます。反対に、完全な破裂とは、腱鞘が全て裂けてしまった状態です。

完全な破裂が起こった場合、骨と腱をつなぎとめるものがなくなるということですから、指を曲げようとするとき、腱が浮き出てきてしまいます。

一番損傷しやすい部分とは?

クリンプ(カチ持ち)が原因とされており、それは、90度近くに曲がった第2関節に、かなりの負荷がかかるからだということです。

第2関節に負荷がかかるということは、そこにある腱が浮き出る方向に強い力が発生します。そうすると、第2、3関節の間にある腱鞘に多大な負荷がかかり、最終的に損傷してしまいます。

部分的断裂も甘く見ないこと

部分的に腱鞘が裂けた状態でクライミングをしてしまうと、裂け目がどんどん広がってしまいます。最終的には完全断裂に及んでしまう可能性もあります。

部分的な断裂でも、直ちにクライミングを中止したほうが賢明でしょう。

パキっという音が鳴る

パキるといわれているのは、腱鞘が避けるときの音であり、部分的に避ける場合にこのような音が鳴ることが多いそうです。完全断裂の場合は、パキっとはならないのでしょうか?不明ですが、おそらくパキっどころではないのでしょう。

パキったときの症状

パキりの程度にもよりますが、牛乳パックをつかめない程になったり、日常の動作に支障が出る場合があります。

部分断裂の場合ですが、以下のような症状がでます。 →レスト中は、症状はない →ホールドを握るようなとき、痛みが出る →手のひらの上部に近い部分の、指を押したとき、痛みが出る

・完全断裂の場合 →腱が浮き出る。

パキリの対処

・クライミングを中止 クライミングは傷口を悪化させます。

・指の屈曲を伴う動きの中止 ハングボードでのトレーニングなどもやめましょう。指に負担がかかることはやめます。

痛みを伴うことは、回復を遅らせ、いっそう悪化させることがあります。

賢いクライマーは、回復に専念し、未熟なクライマーは、クライミングを続けて行い、回復が遅れ、さらなる悪化を招く。

・パキった直後の何日か 炎症をおさえるため、アイシングなどを行います。

・その後 指にストレスがかかることはしない。ただし、少しずつ軽く指を使うのはよいことです。

例えば、懸垂、リバースリストカール(手の甲を上にして、手の甲を上に曲げる、手首が反る状態にする)、ゴムでできたドーナツ型のグリップを握る、などのような運動は良い。これらは、痛みの伴わない限り行ってよい。

リバースリストカール

Theraputty™を握る

リハビリ時は、黄色のものでやるのが良いと考えます。

ゴムでできたドーナツ型のグリップ

メトリウス  グリップセイバープラス

パキった時のリハビリ用には、ソフトのものがいいと思います。レギュラー、ハードはリハビリには固すぎます。

・痛みが消えた後 その後、2週間はさらにレストする。すぐには再開してはいけない。軽度のクライミングから戻るようにする。

完全断裂の場合、手術が必要

私はなったことがありませんが、手術が必要とのことです。この場合は、病院に行くしかなさそうですね。

回復中でもできること

パキった後の回復期間中は、基本的に指を酷使するようなトレーニングはできません。クライミングができない期間は、ストレスが溜まるし、身体機能が落ちてしまうのではないかと心配になると思います。

指の酷使を避けながら、身体の機能を向上できるようなトレーニングを別の記事で紹介しています。治癒を専念するばかりで何もしないで過ごすのではなく、逆に積極的に他のトレーニングを取り入れていくことは、精神衛生上も、身体機能の面においても良いことだと思います。

パキった時にもできる基礎トレーニング

まとめ

1.パキったら、クライミングを直ちに中止する。もし腱が浮き出るようなことがあれば、医者に診てもらう。

2.アイシングなどして、炎症を抑える。

3.痛みが軽減してきた後は、軽い指の運動を導入する。握ったり、軽いストレッチ、マッサージを行う。

4.3を2~4週間行う。

5.軽度のクライミングを始める。テーピングを付けながら。1~2週間は軽いクライミングを行う。(大きいホールド、良いフットホールドを使う)

6.通常のクライミングを始める。ただし、テーピングは付けたまま。悪いホールドは避ける。腱の回復には、100日間かそれ以上かかるため。

参考サイト http://nicros.com/training/training-articles/finger-tendon-pulley-injury/