キャンパスボードでケガをしない8つの注意事項
Kiipeilyareena / Kumpei Shiraishi
ウォーミングアップ
ウォーミングアップとは体を温めることです。筋繊維、腱、靭帯を含む身体の温度を上げることで、それぞれの部位の伸縮性が増します。
別の記事でも書きましたが、ゴムをイメージするとわかりやすいです。冷たい状態のゴムでは、あまり伸びませんが、温かくすると伸びやすくなりますね。
それと同じで、身体も、柔軟性が増すので、ケガをしにくくなります。
ウォーミングアップでは、指先まで温かい血液が巡るようにしてください。軽いジョギングや、軽いクライミングをするのは良い方法です。
フットホールドを使う
フットホールドがないと強度がかなり高くなります。自分にあった強度でなければ、ケガのリスクが高くなってしまうので気を付ける必要があります。
あなたがまだ、フットホールド無しで行うにはまだと思うのなら、使うべきだと思います。フットホールドを使うと、指や腕への強度は軽くなります。しかし、徐々に確実に指先や腕の力をつけることができます。その次の段階に行くのは、その後のタイミングで十分間に合うでしょう。
また、フットホールドありで行うと、全身のコーディネーションのトレーニングになります。フットホールド無しで行うキャンパシングにはない効果が期待できます。
もしくは、フットホールド無しで、キャンパシング・トレーニングをするとします。本番前に、ウォーミングアップとして、フットホールドを使って何回かキャンパするのは良いことと思います。指も急激な負荷にさらされると、ケガをする可能性が高まるので、事前に本番と同様の軽い刺激を入れるのは良いことだと考えます。
ひじで気をつけること
伸ばし切ってひじを使うことはよくありません。ひじをいためます。キャンパするときは、ひじを伸ばし切らず、10~15度にキープします。
キャンパを始めるスタート地点でもそうです。ひじを軽く曲げてスタートします。
また、一番遠いラングまで片手を伸ばしてダイノでホールドするトレーニングもありますが、その時は、うでを伸ばし切ってとれる最遠のラングよりも、一つ手前のラングにダイノするようにしてください。
肩で気を付けること
肩も、伸ばし切らず、力を入れた状態をキープします。
ぶら下がったときに、肩が耳に近づくような状態にはせず、肩を落とした状態のままにするということです。
ダイノするとき
ダイノするときは、オープンハンドで行ってください。クリンプは負荷が大きいです。
しかも、クリンプで慣れてしまうと、実際の岩場や、ジムのホールドでも、クリンプでとるようにやってしまうようになります。ダイノのときにはクリンプで取る、こういう風に体が記憶してしまうのです。これを避けるためにも、練習の時から、オープンでダイノするように心がけると、ケガのリスクが減ると思います。
深めのラングを使うこと
ラングの深さが、浅い場合をイメージしてください。浅いとは、奥行きがないということです。奥行きがない場合で、保持しようとするとどうなるでしょうか。
オープンハンドで保持しようとします。
だいたい人の指の長さは、中指、薬指の2本が長くて、その次に人差し指、その次に小指、といった具合です。ラングが浅い場合は、中指、薬指の第一関節部分を引っ掛けられても、人さし指は引っ掛けられません。短いからです。
人さし指を無理やり使おうとすると、中指、薬指がクリンプ状態になります。
小指まで使おうとすると、さらに人さし指、中指、薬指がクリンプ状態になります。オープンハンドとは程遠い形です。
ここで、深いラングを使います。奥行きがあるラングです。例えば、中指、薬指の第二関節ふらいまで引っ掛けられるような深さのものとします。
そうすると、すべての指がオープン状態で、ラングを保持することができます。中指、薬指がラングの奥深くまで乗っかり、その次に人差し指、そして小指は第一関節を載せることができます。
これは、クリンプ状態にならないことで、リスクを減らせますし、全部の指がしっかりと鍛えられることができます。
ケガのリスク回避、小指までしっかりと鍛えられる、そういったことを考えると、メリットのほうが多いかと思います。
ラングの形にも気を付ける
ラングの保持する面が手前に傾いているのは、負荷が高いです。当然、ケガのリスクが高くなります。保持面が、地面に対して水平なほうが、負荷が軽く安全です。
また、保持面が丸く山なりになっている場合は、どうでしょうか。これは、保持しやすい形です。比較的に楽な力で保持することができます。しかし、指が山なりに曲がった形で保持することになるので、指の腱には負担がかかります。この形も気を付けたほうがいいですね。
トレーニングでは筋肉を鍛えるようにすること
トレーニングで、腱や靭帯も鍛えようとしていませんか?ストレングス・トレーニングでは、腱や靭帯は鍛えることができません。
腱や靭帯を強くするのは、負荷をかける時間の長さです。長時間負荷をかけることができれば、成長します。軽強度で長時間のトレーニングによってです。中ぐらいのレベルでとレーニンングすることが一番いいのです。
ストレングス・トレーニングでは、筋肉のみを鍛える目的で行います。腱や靭帯を鍛えようとして負荷をかけてやってしまうとケガを招いてしまいます。
参考動画