無意識に体が動くようになる
Before the leg sqeeze at Rumney / pkasco
無意識に体が動くようになる
だれでも経験したことがあることですが、非常に重要なことがそこに隠されています。
初めて取り付くルートは最初難しく感じると思います。自分相応のグレードであっても最初はてこずると思います。
その反面、何回も登った経験のあるルートは素早く力を入れずにすいすいと無意識に上ることができるでしょう。何回も登ったことがあるだけなのになぜでしょうか。
それは慣れ、と呼ばれるかもしれません。ですが、それにこそテクニックの上達の本質があるのです。
慣れ、と一般的に呼ばれるものは、それは厳密にいうと、自分の体がそのムーブを記憶した、ということになります。一連のムーブを何回も行うことによって、体がそれを記憶して、さらに同じムーブを行う時に再生されると、以前のようなぎこちなさを感じなくなってくるのです。
さらに、その慣れた動きのなかでさらに効率的な動き方を試して、より良い動きを体が記憶することができ、そうするとさらに効率的な動きを習得することができるようになります。慣れる、さらに行う、体はより効率な動きや疲れない動きを求めるので、同じルートを登れば登るほどそのルートがうまくなっていきます。
よくクライミングジムで見かけますが、自分の限界グレードの課題ばかりトライして、最後まで登れないで落ちてしまう。でもそんな限界グレードを繰り返して失敗し続けてもいっこうに体に成功したムーブの記録をさせることができません。
ムーブを記録させることが大切なのです。つまり失敗ばかりする課題を何度もトライしても失敗のムーブの記録を体がしてしまうということです。
ですので、少し簡単なグレードで同じようなムーブを何度も成功させて、その成功した動きを体に記憶させるのです。そうすると、先ほどのグレードの高いルートでのムーブもできるようになってくるのです。本当にそうです。
私の場合は、限界グレードをトライし続けることはせず、少し下のグレードを何度も経験し、動きの精度を上げるようにしています。そうすることで体がクライミングの効率的な動きをマスターしてくれます。いくつもそういった経験を積み重ねることによって、ある日突然、今まで限界グレードだったルートを登れるようになります。
まとめると、体に動きを体験させることを積み重ねて、体に効率的なクライミングの動きを記憶させる。その記録のレパートリーを蓄積することが次の段階へ進む近道になるのです。