30代からのロッククライミング

とりあえず2級を目指す!

クリス・シャーマのトレーニング方法

Climber Dude
Climber Dude / Pierce Martin

クリス・シャーマという有名なクライマーがいます。岩場課題の最難関ルートを完登し続けている人です。

インターネット上で動画を探せばいろいろ出てくると思います。私のイメージですが、ひたすらリードクライミングで、断崖絶壁のルートを登っています。

やっぱり気になるのが、どんなトレーニングをしているのか。ネットで色々調べてみました。

トレーニングはしない

彼は、トレーニングをしないそうです。

トレーニングをしないで、なぜ最難関ルートを登ることができるのか。不思議に思います。アスリートたるもの、トレーニングをしなければそれ以上、競技能力は向上しないと考えます。

じゃあ、彼はなんで上達しているのか。それは、トレーニングをせずに、ルートに何度もトライすることにより、上達しているのです。

彼のインタビュー記事で、このような記載がありました。「トレーニングは、ルート上で起きる。」

なるほどと。そう思います。では、実際にどのようなことなのでしょうか。

目的のルートを決める

まず、目的のルートを決めるようです。目的のルートにすることを、プロジェクトと言うようですね。プロジェクトしたルートをまず決めます。

彼の場合は、おそらく、面白そうなルート、難しいルートを選んでいる気がします。面白そうなルートとは、断崖絶壁で景色がいいルートや、各場所のムーブが面白いとか、そういうことだと思います。なおかつ、自分がすぐに登ることのできないルートを選ぶことによって、トライする楽しみを得るのだと思います。

各ムーブをバラしてできるようにする

そのプロジェクトに含まれる、各ムーブをつ1つをできるようにします。一番下から繋げて登れるようなるという訳ではありません。

バラして登ればいいのです。

バラして登るというのは、例えば、プロジェクトが10ムーブで構成されているとします。1ムーブ目だけを行ってできたら、今度は2ムーブ目だけを行い、できなければ、2ムーブ目だけを何度も行い練習します。1ムーブ目、2ムーブ目と順繰りに繋げて登らなくてもいいのです。2ムーブ目から初めて、そのムーブができればOKです。

同じように他のムーブも1つずつできるようにしていきます。6ムーブ目だけできなくて、その他のムーブは全部できる場合は、6ムーブ目だけの反復練習を行います。

そして、全部のそれぞれのムーブはできるようになったとします。

短いセクションをできるようにする

その次は、ある程度のムーブの固まりを作ります。ここでは、短いセクションと呼んでいます。

10ムーブある課題であれば、例えば、1~3、3~7、7~10というように、3つの短いセクションに分けます。

この短いセクションを、それぞれ繋げて登れるようにします。要するに、1~3を繋げて登れるようにするのです。3~7、7~10も同様です。

これもできるようになったら、

全部繋げてできるようにする

そのすべての短いセクションを繋げて、完登できるようにします。これは、その課題のスタートからゴールまで、全部ということになります。

なるほど。ですね。これは理に適っていると思います。

バラして登るフェーズ…ストレングス、パワーの向上 短いセクションのフェーズ…パワー・エンデュランスの向上 全部繋げるフェーズ…パワー・エンデュランスエンデュランスの向上

このように、最初は、最大筋力系を向上させ、それが一定の基準満たされたら、そのあとは、持久力を向上させるフェーズに移ると。こういう流れになります。

こういうことで、彼は、トレーニングというトレーニングをしないで、ハングボードでのデッドハングや、キャンパシング、腕立て伏せ、懸垂、ロックオフ、腹筋、スクワットなど、トレーニングと言われるものは、やらないというのです。

トレーニングをせず、最初から、プロジェクトに打ち込む。何度も何度も打ち込む。そういう方法で、上達を果たしているのだということです。

複数ルートをプロジェクト

あと、さらに、面白いことが書かれていました。彼は、複数ルートをプロジェクトすることが多いだとか。それはなぜかというと、彼的には、そのほうが飽きなくて楽しいから。

でも、複数ルートをプロジェクトするメリットは多いと思いました。

・飽きない、モチベーションが下がらない ・同じムーブを繰り返すことで高まるケガのリスクを軽減できる ・さまざまなムーブや筋力を同時に向上させることにより、プラトーを防げる

「飽きない、モチベーションが下がらない」は、その通りです。1つのルートだけトライしていると、さすがに飽きがくると思います。そのうち、面白みがなくなり、気持ちが入らなくなっていくでしょう。そうなると、クライミングの質も軽減してしまうと思いますね。

「同じムーブを繰り返すことで高まるケガのリスクを軽減できる」は、簡単にイメージできます。

例えば、1つ目のプロジェクトで、1本の指でしか保持できないポケットホールドがあるとします。その保持を反復するなかで、指が疲弊してきます。ずっと続ければ、ケガをすることはおそらくすぐでしょう。

そういうときに、他のプロジェクトに移行すれば、その指はレストできますし、そのレスト中強くすることができます。ケガもしなくてすむでしょう。

「さまざまなムーブや筋力を同時に向上させることにより、プラトーを防げる」も非常に興味深いですね。たった1つのプロジェクトだけに打ち込んでいたら、向上しなかった能力が、その他のプロジェクトにトライしていることで高まるということがあると思います。

他の課題で培われた能力が、今やっているプロジェクトにも生かされたりと、相互作用を生むのです。シナジー効果ってやつですね。

1つの課題を黙々と打ち込むよりも、複数課題をプロジェクトして、飽きずに楽しくやっているのが、一番効率がいいのかもしれませんね。