最も重要な保持力の鍛え方
別記事「週2回ジムに行けば、保持力コソ連はいらない!?」で書きましたように、週2回クライミングジムに行ってトレーニングできるのであれば、別途、保持力を鍛える筋トレを加える必要はありません。
しかし、週1回しかジムに行けないクライマーは、保持力の強化のために、筋トレを付かしても良いかもしれません。
週1回だけ、ジムトレーニングによって前腕に刺激を与えるだけでは、現状の保持力の維持することしか見込まれないからです。
では、どのようにトレーニングを行っていけばよいのでしょうか。
理想的には、あたかもクライミングジムで3時間程みっちり登りこんだ後のような前腕の疲れかたにすることが良いと考えます。
クライミングジムでは、何十本ものトライを重ね、練習の最中には何度もパンプした状態になったり、一時的に急激な荷重がかかったりします。
そして、ジム練習の最終段階では、前腕の筋力をすべて使い切ってしまい、「もう全然ちからが入らない」状態になります。すなわち、オールアウトの状態です。
このオールアウトの状態にすることができるような、自宅筋トレを盛り込めばよいのです。
しかし、クライミングジムに週1しか行けないような方は、毎日が忙しいのだと思います。ジム練習の3時間が取れないのだと推測します。
よって、なるべく短時間に、前腕を追い込みオールアウトさせるトレーニングが必要です。
私が考えるのは、基本的なぶらさがり筋トレです。懸垂バー、もしくは、公園のうんていを使います。その他、ぶらさがれる場所があれば、どこでもOKです。
その内容は、
1セット目:ぶらさがり60秒 2セット目:ぶらさがり60秒 3セット目:ぶらさがり60秒+レストポーズ法で2回程ぶらさがる
3セット目のレストポーズ法とは、3セット目をスタートして限界のところまできたら、一度ぶらさがりをやめて10~15秒の短い休憩をし、またすぐにぶらさがり限界まで行い、というのを2回繰り返すことを意味します。
レストポーズ法によって、小休憩をはさむが完全には回復していない筋肉をさらに追い込むことができるので、筋肉により刺激を与えることができます。
それでは、1セット~3セットへの流れのなかで、それぞれのセットの意味を説明していきたいと思います。
はじめに、あなたは60秒連続でぶらさがることが今現在はできない保持力の持ち主と仮定してください。
では、筋トレを開始します。
1セット目: 限界まで力を振り絞り40秒ぶらさがれました。前腕はパンプし、疲れています。1分程度の休憩を取ります。
2セット目: 限界まで力を振り絞り30秒ぶらさがれました。1セットよりも秒数が短くなりました。前腕に疲労が溜まっているからですね。だいぶ、前腕が追い込まれてきた感じがします。1分程度の休憩を取ります。
3セット目: 限界まで力を振り絞り15秒ぶらさがれました。10~15秒程度の休憩を取ります。
3セット目(レストポーズ法1回目): 限界まで力を振り絞り5秒ぶらさがれました。気持ち的にはもう限界です。前腕も厚くなりパンパンになってきています。10~15秒程度の休憩を取ります。
3セット目(レストポーズ法2回目): 限界まで力を振り絞り3秒ぶらさがれました。もう力は残っていません。
これで、筋トレ終了です。10分以内で終えることができます。
とにかく、筋肉をオールアウトさせることを目標に、3セットを必死で行います。精神的には、結構きついと思います。
特に、3セット目のレストポーズ法を使った回は、かなり苦しいです。でも、これが非常に筋肉に良い刺激を与えられるのです。
この筋トレを繰り返すと60秒を3セットが余裕でクリアできるようになってくると思います。
そうしたら、60秒3セットができないように強度を上げます。強度を上げるというのは、重りをかけることと、すぐ考えてしまいますが、できる限り自重で行えるようにします。
自重を使って強度を上げることを意識し、例えば、今まで第2関節部分までバーを握ってやっているのを、第1関節の部分でぶらさがってみたり、または、4本指で行っていたものを3本指で行ったりします。
さらに、片方の手首を握り、握られた方の手だけでぶらさがったり、完全に片手でぶらさがったりすることで強度を調整することができます。
ここで、強度の調整する際に注意していただきたいのは、1セット目で40秒程はぶらさがれる強度に設定してください。
あまりに強度が高く、1セット目の10秒で限界が来てしまうような強度だと、筋肉や関節に相当な負荷がかかって危険であるということと、筋量を増やすために必要な成長ホルモンを出すために必要な負荷を与える時間に足りないからです。大体40秒程、筋肉に負荷をかけ続けることが効率よく成長ホルモンを出すことができるようです。
ですので、強度が高すぎる場合は、足を椅子に置いたりして、前腕にかかる体重を分散させて調節してください。